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  • Miki

せん妄について

昨日まで高齢にもかかわらず、一人で何でもできていたおじいさんがちょっとしたケガで入院されたとします。


入院した日の晩や翌日から、落ち着かなくなり、暴れたり、暴言を吐いたり、人が変わったようになってしまったということがままあります。


これはせん妄と呼ぶ意識の障害です。


急性期病院に入院する高齢者の10~20%に発症すると言われており、さらに症状の程度に差はあれ、予定手術で15~25%、緊急手術では35~65%の患者さんで発症し、手術が一番大きな誘因になると言われています。


また、ICUなどの閉鎖された特殊空間(病室)では発症率が40%にものぼるとの報告があるほど、よくあることです。


症状の持続時間は1週間から2ヶ月以上までさまざまですが、通常10日前後で軽快します。


▶︎ せん妄(譫妄)とは


せん妄は、脱水・感染・貧血・薬物など、からだに何らかの負担がかかった時に、脳 にも負担がかかることで生じる脳の機能の乱れ(意識の障害)です。


せん妄には、おもに次のような変化や特徴がみられます。


【意 識】 ・ ぼーっとする ・ 集中しづらい(TVや新聞などを見られない)

・ 夢か現実かわからない、寝ぼけたような感じ

【睡 眠】

・ 眠りが浅くなる

・ 日中、眠気が続く

・ 昼夜逆転し、睡眠のリズムが崩れる

【その他】

・ 時間や場所がわからない

・ おかしなものが見える(虫、小さな動物、小人)  など



▶︎ せん妄の種類

▶︎ 過活動型せん妄


興奮や過活動が主な症状となるせん妄です。

例)暴れる、幻覚、妄想、点滴を自分で抜いてしまうなど



▶︎ 低活動型せん妄


無気力になり、活動が低下することが主な症状となるせん妄です。

例)反応が乏しくなる、日づけを忘れる、自分がどこで何をしているかわからなくなる、目の前にいる人が誰かわからなくなるなど



▶︎ 混合型せん妄


過活動型と低活動型の両方の症状が現れるせん妄です。



▶︎ せん妄の発症状況による分類


術後せん妄…手術後に起こるせん妄(若年者でも起こる)


夜間せん妄…睡眠と覚醒のリズムが崩れ、夜にせん妄の症状がでること


熱せん妄…発熱により起こるせん妄


震戦せん妄…アルコール中毒の離脱の際などに震えが起きるせん妄

  • アルコールが原因のせん妄の場合、バタバタと羽ばたくように手が動く「羽ばたき振戦」といわれる症状をきたし、酷くなるとけいれんを起こすこともあります。




▶︎ せん妄と類似した疾患

▶︎ 認知症との違い


せん妄の症状を見た家族が「認知症になったのか」と思うこともあります。 下記のような特徴に当てはまる場合には、認知症の疑いがあるかもしれません。


・ゆっくりと症状が進行するので発症の時期が特定できない ・意識がはっきりしている


いずれにせよ、専門家の医師に診てもらう必要があります。


▶︎ うつ状態との違い


低活動型せん妄(ぼんやり系)と間違えやすいものに、うつ状態があります。

下記のような特徴があれば、うつ状態だと考えられるでしょう。


・発症後、週や月単位でゆっくりと発生するので時期の特定があいまい

・物忘れなどを自覚して主張する(認知機能に障害が出ていても軽度)

・錯覚や幻覚はまれにしか起こらない

・絶望感や無価値観などを抱えている

・寝つきが悪く、夜間途中で目が覚める


やはり、早めの受診が望ましいですね。


▶︎ せん妄とお薬


せん妄は、基礎疾患(慢性的な持病)や何らかの原因(ストレスなどの心理的要因・生活環境要因・薬剤などの要因)によって起こる意識障害で、原因となっているものが取り除かれると、改善できるものです。


つまり、常用している薬剤が原因で起きている「薬剤性せん妄」や、飲酒習慣によって起こる「アルコール離脱性せん妄」などは、その原因を取り除かない限り続く「せん妄」と言えます。


せん妄を引き起こす原因を突き止めたら、その原因に対して薬物療法を行い、環境を整えるといった処置をします。症状が見られたら、まずは認知症専門医や精神科などの医療機関を受診しましょう



▶︎ せん妄の予防


せん妄は「気持ちの持ちよう」や「こころの問題」に思われがちですが、そうではありません。


また、同様 に認知症になったのでもありません。


からだの症状のひとつなので、適切な治療でほとんどのケースは改善します。

適切な対応をすることで、せん妄は予防できることがわかってきています。

そのためには、ご本人と家族や支援者らが一緒に密になって協力し合うことが重要です。


▶︎ 睡眠の質と時間を改善しましょう

夜間の休息はこころと体を健全に保つための必須項目です。

睡眠の質と十分な時間が取れるよう工夫しましょう。


▶︎ 水分をこまめにとりましょう

体の水分が不足するとせん妄になりやすくなります。

水分はこまめにとりましょう。


▶︎ 体を動かしましょう

せん妄を予防するためには、日中動くことが大切です。

できるだけベッドから離れて過ごす時間を作ったり、散歩をしたり、起きている時間を作るようにしましょう。


▶︎ お薬に注意しましょう

お薬の中にはせん妄の原因となるものがいくつかあります。

特に睡眠薬や安定剤は注意が必要です。

これまで何年も飲んできた薬でも、体調が悪い時に飲むとせん妄を引き起 こすことがあるのでご相談ください。





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