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  • 執筆者の写真Miki

人は「言わないとわからない」

今日は、「以心伝心」から起こる誤解について考えてみましょう。


誤解は、どこの文化でも起こります。

特に、日本のように以心伝心で相手の「腹」を探るのが芸であり、言わなくてもわかってもらえるのが当然とされている文化では、誤解が起こらないのが不思議なくらいです。


「そんな当たり前のことは知っているはずなのに、あの人は何も言わない」と、

一人で憤慨して、相手を無言のうちに責めるということも起こりがちです。


たとえば、日曜日に家族と一緒に出かけてほしいということを、当然夫はわかっていると思っていたのに、同僚とゴルフに行ってしまったとします。


帰ってきた夫に、ものも言わずムッツリしていたり、

「私は子どもの世話や家事で大変なのに」と、自分がどんなに大変か…と当てつけるように言ってしまいませんか。


こういう不愉快なコミュニケーションにすり替えるのではなく、

はじめから、「一緒に時間を過ごしたい」と伝えましょう。


言わなくても、わかってくれて当然と期待しないで、

「言わないとわからない」をモットーに、遠回しな言い方ではなく、

ストレートに、しかも思いやりを込めてコミュニケーションをとり、誤解を避けましょう。



▶︎ コミュニケーション・エラー


コニュニケーションエラーとは、人が起こすミスつまり人為的なミスのことをいいます。

要因は様々ですが、大きく分けて以下の2つのパターンに分けることができます。


1.すべきでない行為をした(誤伝達)

 ①誤った情報伝達

 ②曖昧な情報伝達

 ③伝達情報の誤った解釈


2.すべき行為をしなかった(言葉の省略)

 ①情報伝達そのものがされない

 ②確認の省略

 ③伝達しづらさ



▶︎ ストレスフルな「言った・言ってない」問題


妻:「今日、帰りが遅かったけど、夕飯も外で食べてきたの?」

夫:「そうだよ。飲み会。」

妻:「えっ?!言ってよ!夕飯作ってたんだよ!」

夫:「え?!言ってたでしょ!?」

妻:「それは来週でしょ?」

夫:「一昨日に日程が変更になったって言ったじゃん!“わかった”って言ってたでしょ!」

妻:「言ってないよ!」

夫:「言ってたって!」


あとはその繰り返し・・・。売り言葉に買い言葉でだんだんイライラしますよね。

こういう時に、“今”と関係のない、随分と昔のこととか掘り下げてこられたり…。

想像するだけで、無駄なストレスを感じて「ゾッ」としますねw


こういう時は、「ちゃんと伝えたんだから、俺は悪くね~!!」って態度が、最も悪い結果を招くものです。


むしろ、コミュニケーションにおいて大切なことは、「伝達する事」ではなく、「伝達し合う事」です。


▶︎ なぜ「言った言わない」問題が起こるのか


コミュニケーションにおいては、伝達する発信者と、情報を受ける受信者とが存在します。

その2者の間では、以下ようなことが常に起きています。


1.同じ物や出来事でも、人によって見え方・聞こえ方・感じ方が異なる。

おばあさんか、貴婦人か?


個人的には、どっちでもいいですけど。

これを人に言葉で伝えるのは苦労しますね。




2.同じ人が同じものや出来事を感じる場合でも、違った見方をしている時がある。


子供の頃嫌いだったものでも、今は好き…みたいな?



3.実際の通りに見ていないし、見えている通りに実際があるとは限らない。


華麗なマジックショーなど。

コインが消えたり、ナイフで刺されたり・・・


4.知覚には選択の原理が働いているので、現象の全てを気づいているわけではなく、無視され、気づけていない部分がある。



画像がゆっくり変わっていく…

アハ体験?みたいなものもそうですね













これらのほかにも、自分の思い込みや先入観が邪魔をして、正確に情報を伝えられない場合もあります。






→ ゾウの足は何本?






…上半分を見れば4本なんです…  下半分を見ると5本ww!?






→ どっちが長い?






下が長いような… いいえ、同じ長さです!(キュピーン)








→ 動いてる? 止まってる?








明らかに動いて・・・いません。


これらは「錯視」という脳の信号を混乱させる謂わばトリックがあるものですが、物事を他人に伝達する際、常に自分の思い込みや先入観などに注意して、正確に伝達するのは難しいことがわかります。


▶︎ 予防・改善・対策


長くなってしまいましたが、コミュニケーション・エラーを防止するには、どのような対策が有効なのでしょうか。


1.略したり、こそあど言葉(これ、それ、あれ、どれ)を極力使わず、必ず5W1Hを用いて具体的に話しをする。


2.図(視覚)や見本(触覚)、ボディランゲージなどあらゆる手段や工夫をこらし理解してもらおうと努力する


3.体験等を通してイメージしやすい例え話をする。


4.会話後も相手の言動を観察し、正確に伝わっているか確認をする。


5.お互いが積極的に理解を深め、疑問を疑問として残さず、お互いに質問するなどして解決し、正確なコミュニケーションを取る努力をする。


6.常日頃コミュニケーションを上手く取る事を心掛けて会話する機会を多く設ける


特に6の普段からのコミュニケーションは重要です。

質よりも頻度と考えたが良いことが多いでしょう。関係性ができて、相手の性質や傾向を知っていれば、多少の曖昧さがっても確認もしやすく、推察もできやすいでしょう。いわゆる「阿吽の呼吸」です。


また、誤伝達を抑えるには「伝達文書における 4C の原則」というのが有効のようです。会話でも同じだと思います。 「4C」・・・Clear(明確)・Correct(正確)・Complete(完結)・Concise(簡潔)


わかりやすい文章で伝える: 相手が理解できる用語。なじみ深い言葉。平易な文章。 ● 正確に表現する: 適切な表現。曖昧ではない。明瞭な言葉。 ● 完全なメッセージを伝える: 必要な情報をすべて含める。情報過多ではない。 ● 要点をまとめる: 短く簡単な文章。簡潔である。不要語を避ける。箇条書きなど。



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