
Miki
心の傷を繰り返し語る
過去に受けた心の傷(トラウマ)を語りましょう。 トラウマを心の奥深くとじこめていたり秘密にしておくと、
いつまでたっても傷ついたときと同じ状態に、凍りついたままになってしまいます。
たとえば、父親にたたかれていた人は、「男は皆、こわいものだ」という考えが
固定化して変化しないまま大人になってしまい、男女関係がうまくもてないようなことがあります。 仲間やセラピストなどトラウマを理解してくれる人に、
何度も繰り返して話していくうちに、だんだん現在の年齢なりに心の傷をうけとめられるようになり、視野が広がり、子供として抱いていた大きすぎる恐怖が小さくなっていきます。 いろんな角度から心の傷を繰り返し話すこと自体が癒しにつながることを知りましょう。

▶︎ お薬でトラウマは克服できている?
幼少期〜思春期にトラウマを持つ人は、思いのほかたくさんいます。
その体験と記憶を封印し「黒歴史」として、忘れ去ろうと10年以上努力を続けている人もいるでしょう。
もちろん自己防衛反応として、もっともで正常な反応です。
しかし、トラウマ体験をもとに「こころ」が不安定になり、医療機関に受診し
いつの間にかお薬を何年も飲み続けている…なんてコトは、ないでしょうか。

▶︎ 薬より対話が効果的なことも…
私が臨床で出会ったAさんは、学生時代のいじめ体験をきっかけに
学校へ通うことができなくなり、情緒不安定になったことで通院するようになりました。
きちんと医師の処方した通りに薬も飲んでいたのですが、
3年経ってもお薬の量が増えるだけで、仕事も通うことができず、様々な不適応が増えていったそうです。
家族たちから説得され、イヤイヤ入院して私が受け持ち看護師となりました。
入院期間(目安)は、2〜3週間と記載されていました。
正直、3年間変わりが無かった事例を入院2〜3週間でどうやって改善するのか…と疑問が浮かび、外来時から同じ主治医が担当するということだったのですぐに質問しにいきました。
主治医の意向は、「お母さんたちが心配してるから、とりあえず形だけ入院してもらって、落ち着いたら退院でいいんじゃない?」と、いわゆるレスパイト入院てヤツ…?
初めから治療する気のない医師と、困窮している家族や本人たち。
当然ながら処方も「外来と同じのでいいでしょ」と医師は言うが、
その薬…「あってませんからぁぁぁぁっ!! 残念ッ‼︎‼︎‼︎」
結局、やる気のない医師だっただけに、抗精神病薬にもこだわりがなかったので、むしろ薬は使わない方向で頓服薬として抗不安薬だけ処方してもらい、2週間過ごすことにしました。
「入院なのに薬を使わないなんて変だ」と、思う方もいらっしゃるかもしれませんが、
何でもかんでも薬が解決してくれるわけではありません。
私個人は、必要な時に、必要な期間、必要な量を服用するのが、betterだと考えています。
死ぬまで飲み続ける…なんて言うのは、疑問があるのです。(個人的な見解です)
それで、Aさんと毎日面談を繰り返し、Aさんはお薬にも頼ることなく
たった2週間でトラウマを克服し、不適応な生活行動は全く見られなくなりました。
その時のAさんが「私の3年はなんだったの?」と失笑して、喜んでくれたことを私は誇りに思えました。

▶︎ 専門家と話すこと
私たち専門性の高い医療職者たちは、研修などを通じて、専門的なコミュニケーションスキルを習得します。
全てにおいて…とは言えませんが、多くの場合で専門家との「対話」が
高い治療効果を与えていることが研究論文などでも証明されてきています。
お薬が必要な方も当然いますが、万人に必要なわけではありません。
お薬とカウンセリングとを並行して治療することで、高い効果が得られることもあります。
問題なのは、「一生飲み続ける」べき人生なのか
それとも、「徐々に減らしていける」人生を送るべきか・・・。
Mental Office ココカラでは、お薬に頼らない人生を支援しています。
トラウマ体験などで、こころを塞いでしまった あなたも
「ココカラ」変われる!
