
Miki
手のなかの小鳥
「私は今後どうなると思いますか。」
ーー 以前にクライアントから、このように質問されたことがあります。
おそらくご本人は、将来を不安に思い、保証してほしい一心でお聞きになられたのだろうと推測できますが、これらの質問の答え方は案外難しいものです。
なんだか・・・遠い昔に、何かの本で読んだ記憶を掘り起こして
クライアントが求める「私の今後・・・」への回答を得たいと思います。
たしか…タイトルは「Bird Story」だったかと… うろ覚えですw

とある小さな町に、なんでも知っていると評判の老師「賢者」がいました。
町中の人から賢者の知識は重宝され、教えを説くことでなんかしらの見返りを受け取っていました。
それを面白くないと感じている少年(15歳前後のイメージだったような・・・)がいたんです。
少年は、賢者を笑い物にして、高い信用を失墜させようと企てます。
・・・なんだか、「とんち話」というか「なぞなぞ」のようなやりとりがあったんですが、割愛して、全て賢者に見破られてしまします。
賢者を笑い物にするはずが、町民から自分が笑われ「チキショー」的な気分で、近所の森で過ごします。・・・逃避ですねw
そこで1羽の傷ついた小鳥を見つけ、少年はニタリと笑むのでした。
少年は再び町へと向かい、手のなかに一羽の小鳥を隠し持ったまま、賢者に言った。
「俺が持っているものは何かわかるか!?」
賢者は、少年に目を向けるとすぐにそっぽを向いて、「弱った小鳥でも捕まえたのだろう」と難なく言い当てた。
賢者に対して、面白くないヤツだと思った少年は、
『それじゃ、手の中の小鳥は生きているか、死んでいるか?』といった。
少年は考えていた。
もし、賢者が『生きている』と答えれば、小鳥を握りつぶす。『死んでいる』と答えれば、小鳥は次の瞬間には空高く舞い上がる。これでコイツも終わりだ…(笑 と。
・・・手の中の小鳥は生きている?それとも死んでいる?
賢者はしばらく考え、思いやりのあふれる眼で少年を見て言った。
『幼き者よ。答えはお前の手の中にある』と。

あなたの手の中には、もともと何もないかもしれないし、逆に何だってあるかもしれない。
小鳥はもう死んでいるかもしれないし、生きているかもしれない。
あなたがどんな人間なのか、決めるのはあなた自身なのよ。
できるか、できないかを決めるのも、自分がどんな人間であるか決めるのも自分自身。
答えはいつだって自分の掌の中にあるんですね…。