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気分安定剤とは

こんにちは、熊本のカウンセリングルーム「Mental Office ココカラ」です✨


「うつ病」といえば、身近な疾患として少しずつ浸透してきたのかなと思います。


SNS上でも、こころの病気として「診断受けました〜ぴえん」などの内容をよく見かけるようになった…そんな気がします。


問題は「気分障害」、いわゆる「うつ病」になったことよりも

診断をつけた医師が処方するお薬の内容に疑問がたくさんあったりします。


そこで今日は、「気分安定剤」といういかにもぉ〜な、お薬についてご紹介したいと思います。診断を受けられた方は、しっかり病名やお薬の内容をググって、正しい病識を持って治療にあたられることをお勧めするものです。

※処方された薬は医師の指示通りに、用法・用量を守って服用ください。


▶︎ 気分安定剤の効果と副作用


気分安定薬は、気分の波を落ちつける効果が期待できるお薬です。

それぞれのお薬によって特徴が異なりますが、

  • 抗躁効果:上の波を抑える

  • 抗うつ効果:下の波を抑える

  • 再発予防効果:ゆるやかな波にする

この3つの作用が期待できるお薬に分類されます。

気分安定薬としては、以下のようなお薬が分類されています。

  • リーマス(炭酸リチウム)

  • デパケン(バルプロ酸)

  • テグレトール(カルバマゼピン)

  • ラミクタール(ラモトリギン)

ここでは、気分安定薬の効果や副作用についてご紹介します。

理解を深めて納得してお薬を使っていただくことで、より良い治療につながれば幸いです。


▶︎ 気分安定剤の作用と効果


気分安定薬は、大きく分けると2つのお薬に分けることができます。

  • 微量元素:リーマス(Li)

  • 抗てんかん薬:デパケン・テグレトール・ラミクタール

リーマスは自然界にも存在する微量元素です。スイ・ヘイ・リー・ベー…ですね。

経験的に気分を安定させる効果が知られていました。


現在でもそのメカニズムについては、実はよくわかっていないのですが、細胞内に直接作用することで脳の神経細胞の興奮を落ちつけると考えられているんだそうです。


抗てんかん薬は、それぞれのお薬によって作用のメカニズムが異なります。

てんかんとは、脳の異常な興奮によってけいれんなどの症状が認められる病気です。


この興奮を落ちつけるお薬が抗てんかん薬ですから、脳の神経細胞の興奮を落ちつける作用が期待できるのは納得ですね。


▶︎ どのような病気に使われるのか


気分安定剤は、おもに双極性障害(躁うつ病)の治療薬として使われることが多いです。


双極性障害は躁症状とうつ症状を繰り返し、気分の波に振り回されてしまう病気です。


気分安定剤には、

  • 気分を落ちつける抗躁効果

  • 気分を持ち上げる抗うつ効果

  • 気分の波を小さくする再発予防効果

が認められます。その結果として、

  • 気分の波の振れ幅を小さくする(うつ症状と躁症状を小さくする)

  • 気分の波を少なくする(再発を減らす)

という効果を期待します。


図は、気分の変調をグラフでわかりやすく示したものです。


うつ病というものには、ハイな気分は存在しませんが、双極性障害にはハイになる期間があります。

これを「躁(そう)状態」と呼びます。


双極性障害における治療では、気分安定剤などを用いて、躁状態やうつ状態の気分の波を小さくしていくことが一般的です。


間違えてはいけないのが、健常者でも多少の起伏があるものですので完全なフラット化、つまり感情の平板化を目標にするものではありません。


治療のセオリーとしては、ややうつ気味でコントロールされることが通常です。


一度、躁状態の爽快感を味わった方は、もう一度あの若々しく、エネルギッシュな時間に戻りたいと考えてしまいますが、経済的な浪費や対人関係の崩壊などを招く危険もありますので「ややうつ気味」という低空飛行でコントロールされた方が安定しやすいでしょう。


詳しくは担当医の先生へ直接相談されるのが一番です。


▶︎ 双極性障害以外に用いるケース

上記以外の目的でも使われることが稀にありますのでご紹介します。

  • 衝動性を抑えるため

  • 頭痛の予防治療のため

気分を落ちつける効果が期待できるため、イライラしやすかったり、衝動性が高まっている方に対して使われることがあります。


また、脳の神経細胞の活動を安定させることから、片頭痛をはじめとした頭痛の予防効果も期待できるらしいです。


▶︎ 気分安定剤の種類


気分安定剤としては、大きく4つのお薬に分類されます。

  • リーマス(炭酸リチウム

  • デパケン(バルプロ酸ナトリウム

  • テグレトール(カルバマゼピン

  • ラミクタール(ラモトリギン

これらのお薬だけでなく、抗精神病薬にも気分安定作用があるといえますが、抗精神病薬は統合失調症の治療薬として開発されたお薬なので、気分安定薬には含められていないようです。


気分安定薬は穏やかに気分を落ちつけるのに対し、抗精神病薬は即効性の期待できる鎮静作用によって気分を落ちつけます。


そのため急を要する場合は抗精神病薬を使い、じっくりと治療できるときは気分安定薬を使うのが一般的です。


ここでは、代表的な炭酸リチウムを例にその特徴を紹介します。


▶︎ 炭酸リチウム

  • 抗躁効果(中程度)

  • 抗うつ効果(中程度)

  • 再発予防効果(強い)

リーマスは経験的に気分安定作用があることが昔から知られていて、多くの研究が積み重ねられ、エビデンスが豊富なお薬です。


リーマスは気分爽快や多幸感が認められるような、ピュアな躁症状がある方に効果が期待されています。


リーマスのデメリットとしては、以下のようなことがあげられます。

  • リチウム中毒に注意

  • 振戦(ふるえ)や頻尿が多い

  • 甲状腺機能低下症・副甲状腺機能亢進症などに注意

  • 催奇形性がある

炭酸リチウムは、血中濃度を測定しながら使っていくお薬になります。

効果の判定にも必要ですし、治療域と中毒域が近いため、リチウム中毒を引き起こさないためにも必要です。


ちなみに他の気分安定剤については以下のようになっています。


▶︎ バルプロ酸ナトリウム

  • 抗躁効果(中程度~やや強い)

  • 抗うつ効果(弱い)

  • 再発予防効果(中程度~やや強い)

デメリット

  • 抗うつ効果が弱い

  • 錠剤が大きい

  • 肝機能障害・高アンモニア血症に注意

  • 眠気がやや多い

  • 催奇形性がある


▶︎ カルバマゼピン

  • 抗躁効果(やや強い)

  • 抗うつ効果(弱い)

  • 再発予防効果(中程度)

デメリット

  • 抗うつ効果が弱い

  • 全体的に副作用が多い

  • 重篤な副作用のリスクがある

  • 聴覚変化がある

  • 他剤の分解を早める相互作用が多い

▶︎ ラミクタール

  • 抗躁効果(弱い)

  • 抗うつ効果(やや強い)

  • 再発予防効果(中程度~やや強い)

デメリット

  • 抗躁効果が弱い

  • 増量に時間がかかって効果が遅い

  • デパケンやテグレトールとの併用に注意が必要

  • 重症薬疹に注意が必要


▶︎ 気になる副作用


▶︎ 眠気・ふらつき

気分安定薬は脳の活動を抑える作用がありますので、多かれ少なかれ眠気やふらつきといった副作用が見られます。


気分安定薬で比較すると、

カルバマゼピン > バルプロ酸 > ラミクタール ≧ リチウム

こんな印象ではないでしょうか…。個人差もありますので、一概には言えませんが。


▶︎ 体重増加

直接的に体重増加させることは少ないです。

薬効としての体重への影響は少ないはずです。


気分安定薬で体重増加してしまった場合は、まずは生活習慣の改善から取り組みます。

それでも難しい場合は、薬の調整を考える…といった具合です。


▶︎ 吐き気

お薬の飲み始めに認められることが多いです。

その原因ははっきりしませんが、次第に慣れていくことが大半のようです。


▶︎ 気分安定剤に特有の副作用


気分安定剤にはそれぞれのお薬で特に気をつけるべき、特有の副作用があります。

  • 薬疹・・・ラミクタール・カルバマゼピン

  • 肝機能障害・・・バルプロ酸

  • 高アンモニア血症・・・バルプロ酸

  • 振戦(ふるえ)・・・リチウム

  • 多尿・口渇・・・リチウム

  • 内分泌異常・・・リチウム

  • 無顆粒球症・・・カルバマゼピン

  • 聴覚変化・・・カルバマゼピン




色々と説明しましたが、SNSなどで「うつ病だった」と診断名を挙げながら

第一選択薬として「炭酸リチウム」が処方されているあなたは「うつ病」では、ないんじゃにでしょうか・・・


世にも奇妙な…診断話でした。


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