Miki
自分の問題と他人の問題
今日は、プロジェクション(投影)について学びましょう。
「投影」とは、自分の感情や素質を認めたくないときに、それらを他人のものだと考えてしまうことです。
自分自身の心の中にある欲求や感情を自分が認めたくないときに、その感情や欲求を他人に押し付けてしまうもので、これは「この感情が自分のものだと認めたくないから、他人のものだと考えよう」と意識的に行われるわけではありません。無意識のうちに勝手に思い込んでしまうものです。
たとえば、なんとなく嫌いだと感じる相手がいる場合に、自分が相手を嫌っているのにも関わらず、「相手が自分のことを嫌っているのだ」と思い込んでしまうのが「投影」です。
これは、「相手に明確な悪い部分がないのに不当に嫌っているという自分の感情を認めたくない」という気持ちから起こる現象です。
また、「相手が不当に嫌ってくるから、自分も嫌い」と、自分自身の不当な嫌悪感を正当化しようとする働きがあります。
これらの例のように、私たちはよく他人に対して「イヤな人だ」と強い感情を持ったり、気にしたりすることがあります。
そんなとき、まず、その人が本当に「イヤなことをしている事実」から“イヤな感じ”がするのか。
それとも、自分についてイヤだと思っていることを、そのイヤな自分に似た他人に投影しているのかを調べてみましょう。
自分の問題は、自分に属するものとして責任をとり、無意識のうちに他人に投影して、その人を責めたり嫌いになったりしないようにしましょう。
たとえば、自分のことは放っておいて、他人のことばかり手をやいている人を見て強い怒りを覚えた場合、自分も同じようなことを他人にしているのではないかと振り返ってみましょう。
他人を憎む前に、自分の問題に焦点をあてて解決するようになれば、他人の動作はそれほど気にならなくなります。

▶︎ 無意識の防衛規制に気づくことの難しさ
前述したものは「自分のマイナスの感情を相手に投影する」という例ですが、その一方で「自分の好意を相手に投影する」ということもあります。
自分が片想いをしている相手がいる場合に、「相手も自分のことが好きに違いない」と思い込むことも「投影」です。
自分自身の一方的な好意を認められないため、その感情を相手に投影してしまうのです。
片思いの相手の細かい言動や仕草に、自分への好意を勝手に見出してしまうのです。
投影は無意識に行われる人間に備わった自己防衛システムのひとつです。
この防衛規制(自己防衛)という考えは、もともとオーストリアの精神科医であるジークムント・フロイトの研究から考えられ、ジークムント・フロイトの娘であるアンナ・フロイトが、父の研究をもとに正式に提唱したものです。
ちなみに、「防衛機制」には「投影」のほかにも以下のようなものがあります。
退行:本来の自分より幼い時期の発達段階に戻ること
抑圧:つらい体験の記憶を無意識の中に封じ込め忘れようとすること
否認:心を閉ざしたり現実と向き合わないこと
打ち消し:恥ずかしい感情を打ち消すために、似たような行動や真逆の行動をすること
取り入れ:他人の感情や衝動を自分自身のものとして受け入れること
合理化:理由付けをして自分自身を納得させること
昇華:感情や衝動を社会的に望ましい方向に変化させ発散させていくこと
SNSなどでこういうのを見かけると、「ああ、防衛機制を発動させているな~」と思ったりします(笑)
ですが、これらは悪いものではありません。
誰にでもあります。
もちろん私にもあります。
無意識のメカニズムを意識的に気づくことはとても難しいと思います。
しかし、SNS上の書き込みなどを眺めて、話の文脈などから上記の防衛規制の反応に当てはめていくことで、自分の癖に気付けるようになります。
大事なことは、自分はどの防衛機制を発動させやすいか、どうして発動させてしまうかを知り、そして、できるだけ発動させないようにすることです。
つまり、自分にウソをつかず「本心で話す」ということであり、ありのままの弱っちい自分を受け止めてあげること・・・
すなわち「誠意」です。
無意識レベルの「潜在意識」と有意識レベルの「顕在意識」とが一致することを、心理学用語で「自己一致」と言います。
人は、自己一致している部分が大きければ大きいほど、自分らしく、満足した人生を送れると言われています。
となれば、自分にウソをつかずに、ありのままを受け止めて「自己一致している部分」を少しずつでも増やしたいものですね。

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