Miki
虐待をなくしたい
昨今のニュースなどで何かと話題になっている社会問題に「虐待」があります。
幼い子どもたちが、大人たちに苦しめられた末、亡くなってしまう事件が後を絶えません。
また、同じように夫婦間でのDVなどの問題も多く、その被害者は今もなお苦しんでいます。
そんな事件をなくすために今日は、「虐待」について考えてみましょう。

「虐待」は、力関係が不均等な場合に起こります。
力関係がほぼ同じ場合には、葛藤や争いは起こっても虐待という形にはならないからです。
例えば虐待は、男と女、夫と妻、親と子ども、先生と生徒、上司と部下、上級生と下級生、雇用者と被雇用者、地位や名誉のある人とない人、お金のある人とない人、体力のある人と弱い人、教育のある人とない人、年上の人と年下の人といった関係の間に起こります。
恋人同士、夫婦間など、一見平等であるかのような関係でも、よく見ると経済面で力関係ができていたり、教育程度が違っていたり、体力に相当の差があったり、社会的、文化的、感情的に不均等な場合がほとんどです。
こういうときは、力関係の上にいる人たちが主に責任をとり、虐待が起こらないようにする必要があります。
子どもが言うことを聞かなかったから、妻が帰ってくるのが遅かったから、下級生が生意気なことを言ったから、ぶった…という言いわけはききません。
相手をあくまで尊敬し、身体的、性的、精神的な虐待をするのはやめましょう。

▶︎ しつけと体罰の関係
日本ではこれまで、家庭内の問題は家庭内に限って第三者が踏み込めないプライベート重視の社会でしたが、虐待防止法などの改正も手伝って「ウチのことに他人が入ってくるな!」は、通用しなくなりました。
身体的・社会的・精神的虐待にさらされて、育てばそれが「普通」だと勘違いしてしまい、問題に気づけなくなってしまいます。
そこに第三者が介入しやすくなったのは、人命を守るためには大きな一歩だと考えます。
親は、子どもを養育し、教育するためのしつけをしますが、 「理想の子どもに育てよう」、「将来困らないようにしっかりとしつけなく ては」といった想いから、ときには、しつけとして子どもに罰を与えようとすることもあるかもしれません。
しかし、たとえしつけのためだと親が思っても、身体に何らかの苦痛又 は不快感を引き起こす行為(罰)である場合は、どんなに軽いものであっても体罰に該当し、現在の法律で禁止されています。
本来、しつけとは、子どもの人格や才能等を伸ばし、社会において自律した生活を送れるようにすること等の目的から、子どもをサポートして社会性を育む行為です。
特に若くして「親」となった家庭において、「子」があたかも「親」と同じ知見や経験を持っているかのように接してしまい、感情的に暴力に至ってしまう傾向が強く見られます。
子どもにしつけをするときには、子どもの発達しつつある能力に合う方法で行う必要があり、体罰で押さえつけるしつけは、この目的に合うものではなく、許されないのです。

▶︎ 体罰以外の暴言等の子どもの心を傷つける行為
体罰は身体的な虐待につながり、さらにエスカレートする可能性がありますが、その他の著しく監護を怠ること(ネグレクト)や、子どもの前で配偶者に暴力を振るったり、著しい暴言や著しく拒絶的な対応をすること (心理的虐待)などについても虐待として禁止されています。
加えて、怒鳴りつけたり、子どもの心を傷つける暴言等も、子どもの健やかな成長・発達に悪影響を与える可能性があります。
子どもをけなしたり、辱めたり、笑いものにするような言動は、子どもの心を傷つける行為 で子どもの権利の侵害とされています。
▶︎ 介護場面でも虐待が起きている
先日、お昼休みにフラッとディスカウントストアで買い物をして、レジに並んでいる時のことでした。
子どもを叱りつけるような、ギャンギャンとした怒鳴り声が店内に響いていました。
当然、店内にいた私をはじめ、店員さんや他のお客さんも、声の主へ視線を送ります。
そこにいたのは2人の老婆(親子)でした。
白髪のおばあちゃんが、袋詰めしている介護者(娘)を手伝おうとすると「手を出すな!」と言って後頭部を叩かれ、居場所がないので店外へ出ようとすると「行くな!」と言って頭を叩かれていたのです。
かなり凄い光景でしたが、店員さんはレジから離れることなく、当然止めにも入りません。
介護者は老婆を連れ、そのまま怒鳴りながら店外へと私より先に出たのですが、私が買い物を終えて店外へ出ると、介護者の車と思われるすぐそばで未だに怒鳴るように叱り付け、頭を何度も叩いていたのです。
耐えきれずに声をかけました。
介護者である娘(70代)のAさんは、母(90代)を連れて買い物に来られたようですが、Aさんは認知症を患う母の介護にかなり疲弊していたのです。
これまでは、デイケアなどの施設に母が通っていたのですが、コロナの影響で常時自宅で一緒に過ごすようになり、理解できない言動や徘徊、失禁などの処理・対応に追われ、感情的に虐げ、「こんなヤツ」と本人の前で罵り、「私たちがどんなひどい目に合っているか」と被害感情を主張したのです。

認知症介護が体力的にも精神的にも疲弊しやすいことは、私自身の長い臨床経験からも熟知していますし、それを独りで抱え込めば尚更です。
しかし、だからといって虐待行為が正当化される理由はなく、まして公然と罵り、暴力している様はかなり深刻な問題だとお伝えした上で、お母さんを助けるためにも力になりたいと申し出たのですが、「余計なお世話だ」「変なヤツに絡まれた」「偽善者」と批判されてしまったのです。
まぁ、Aさん本人からすれば、そう言いたくなる心境もわからなくはないですが…。
結局、介護責任者であるAさんの理解と協力が得られなかったため、その場で虐待通報として警察の介入を依頼し、介入者である私も警察署へ同行して虐待があった事実とAさんの理解と協力が得られなかったこと、及び専門家として母親への日常化した虐待も疑われるため保護申請まで行いました。
結果として、母親はかかりつけの病院へ一時入院処置を経て、専門の施設への入所の運びとなりました。
もし、あなたの身近なところで、虐待のような光景を見た時には介入してほしいですが、逆上されることがほとんどですので、警察に通報していただいて適切な処置対応をお願いするのがいいでしょう。
店員さんのように「見て見ぬふり」するのは、虐待の幇助となる可能性もあります。
悲しい事件を増やさないように、また、Aさんが犯罪者とならないように、一般市民ができる範囲で「お節介」しましょう!

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