
Miki
DV
こんにちは、熊本のカウンセリングルーム「Mental Office ココカラ」です✨
コロナが猛威を奮うほどに、毎回コロナうつや自殺の問題が取り沙汰されます。
今日は、同じように相談件数が増えているドメスティック・バイオレンス(以下,DV)ですが、実はDVについて一般的に誤解が多いこともあるので、まずは知っていただくことから始めたいと思います。
▶︎ DVにまつわる様々な誤解
(1)優しい時もあるから大丈夫?
DVの研究者であるレノア・E・ウォーカーさんは、DVには
【緊張形成期】で加害者のストレスが溜まり
【爆発期】で被害者に暴力を行う
【ハネムーン期】では加害者が被害者に謝罪して優しく接する
という3つの段階があり、それを周期的に繰り返すと定義しています。
厄介なのが【ハネムーン期】であり、いわゆるアメとムチ状態。
暴力をふるわれていたところに優しい言葉をかけられたり、弱味を見せられると『やっぱりこの人はいい人』『そばにいてあげなきゃ』と思い、依存的な関係が出来上がっていきます。
(2)殴っていなければDVじゃない?
DVと聞くと、『叩く・殴る・蹴る』などの身体的な暴力が浮かぶと思いますが、それだけではありません。
【心理的・精神的暴力】人格を否定したり、無視してくるなど
【経済的暴力】生活に十分なお金を渡してくれない
【社会的隔離】家族や友人など人間関係の持ち方を制限したり、メールやSNSなどを監視する
【性的暴力】嫌がっているのに性行為を強要したり、避妊に協力しないなど
これらの暴力は単独で起きることもありますが、大抵は複数の暴力が重なって起こっていることがほとんどです。
最近ではDVに対する認知度が高まっている事もあり、身体的暴力は減ってきているように思いますが、その分心理的・精神的暴力が増えているような印象を受けています。
(3)どんな人が加害者になる?
特にこれといったタイプはなく、年齢・学歴・職種・収入なども関係ないと言われています。
加害者の中には普段から誰にでも暴力的な人もいますが、意外と「人当たりがいい」「社会的信用が高い」など、他者には良い印象に見えるのに、実は加害者であるというパターンも。
先日は、弁護士の夫によるDV 被害がネットニュースになっていましたし…。
DVが起こる背景として、加害者の価値観に「男性はこうあるべき、女性はこうあるべき」といったジェンダーバイアスが残されていることが多いと指摘されています。
(4)嫌なら逃げればいい?
被害者の心の中には、相手から逃げたら何かされるのでは?という恐怖感や、助けてくれる人は誰もいないという無力感、離れたいと思いつつも、いつか変わってくれるのではないかといった複雑な心理が絡みあっています。
その他にも、経済的な理由や、失うものの大きさ、お子さんがいればお子さんのことなど、物理的な問題から踏み切れないという場合も多いのです。
ですから「出ていけばいい」「別れたら済むこと」といったアドバイスは有効でなく、むしろ被害者を傷つけることにもなりかねないので気を付けたいものです。

「これってDVかも」と思ったら
相手から暴力を受けると、「私が悪かったのでは?」と自分を責めたくなるかもしれません。
しかし、それは絶対に違います。
どんな理由であれ、相手を暴力によって傷つけるというのは絶対やってはいけないこと。
対等に意見や気持ちをぶつけ合う夫婦喧嘩とはまったく別ものです。
「いつか変わってくれる」「私が我慢すれば」と自分に言い聞かせるうちに暴力がエスカレートし、被害者の心の傷は深まっていきます。
とはいえ、近しい人には相談しづらかったり、どこに相談したら良いのか迷ってしまいますよね。
DVに関しての相談機関は各都道府県に【配偶者暴力相談支援センター】【婦人相談所】などの公的機関にて受けることができます。
このコロナ禍によってDVに関する相談が増加したことで、今年の10月から【#8008】という全国共通短縮ダイヤルにかければすぐに相談ができるようになったそうです。
また、内閣府が運営する【DV相談+】では電話やメール、チャットでの相談もできる…そうなので、対面での相談が難しい場合にも利用しやすいかも。
ただ、こう言った公共のサービスは、いのちの電話と同様に大抵繋がりにくいモノです。
いざとなった時に頼れる場所にしておくためには、早いうちから関連機関との関係づくりをしておくことが肝要です。
夫婦間のことは話しづらいことではありますが、勇気を出して一歩踏み出すと状況が変わっていく事もあります。
必要な人に必要な支援が届くことを願っています。
弊社へのご相談はいつでもお受けしております。
